個人向けを主力とするネット銀行が、融資などの

法人取引の拡大に力を入れています。

大手銀行に比べると融資額は少額ですが

決算書を使わない融資手法などで

中小企業を中心に支持を拡大しています。

【１】ネット銀行

　ネット銀行（ネットバンク）とは、インターネットや電話等の通信手段

　を使った取り引きがメインとなる銀行です。

　店舗数が非常に少ない銀行が多く、

　なかにはまったく店舗のない銀行もあります。

　代表的な銀行は下記となります。

　・楽天銀行

　・PayPay銀行（旧 ジャパンネット銀行）

　・GMOあおぞらネット銀行

　・住信SBIネット銀行

　
（１）メリット
　
　お金まわりのあらゆる手続きをインターネット上でおこなえるネット銀行。

　店舗を持たずに人件費を抑えているので、

　ユーザーには下記のメリットがあります。

　・２４時間３６５日インターネット上で振り込みや決済が可能

　・インターネットバンキングの画面が分かりやすく、操作がしやすい

　・インターネットバンキング手数料、口座維持手数料がかからない

　・振込手数料が安価

　・預金の金利が比較的高い

（２）デメリット

　サービスが開始されてから比較的日が浅く、

　「得体の知れないもの」と認識している方も見受けられます。

　下記のデメリットが挙げられます。

　・取引先から信用力を低く見られることがある

　・銀行に窓口等での対面による相談ができない

　・社会保険、労働保険、税金の口座振替に非対応

　・中小企業倒産防止共済の加入に非対応

【２】各ネット銀行の特徴

（１）楽天銀行

　　楽天銀行は楽天グループが運営するネット銀行です。

　　楽天銀行は、２０２２年２月２４日からfreeeとの口座連携が非対応なので要注意です。

　　また、口座開設に固定電話番号か０５０-IP電話番号が必要です（携帯電話番号は不可）。

　　ただし、海外送金に強いため、海外送金を利用される方にはおすすめです。

（２）PayPay銀行

　　PayPay銀行はソフトバンクグループが運営するネット銀行です。

　　PayPay銀行の長所は、振込手数料が安く、Pay-easy（ペイジー）に対応している点です。

（３）GMOあおぞらネット銀行

　　GMOあおぞらネット銀行はGMOあおぞらネット銀行株式会社が運営するネット銀行です。

　　PayPay銀行と同じく、振込手数料が安く、Pay-easy（ペイジー）に対応しているのが長所です。

　　また、「つかいわけ口座」で擬似的に複数の口座を所持できる点もメリットでしょう。

　　GMOあおぞらネット銀行は、以下のような特徴があります。

　　・ネット銀行では初めて、日本政策金融公庫の融資に対応

　　・履歴事項全部証明書（登記簿）や印鑑証明書の提出、

　　　押印や書類郵送が必要なく、インターネット上の操作だけで口座開設ができる

　　・最短で即日開設もできる等、他行よりも早く口座開設がしやすい

　　・法人設立後１年間は毎月２０回まで口座振込手数料が無料になるキャンペーンを実施中

（４）住信SBIネット銀行

　　利用手数料が最大で２０回も無料になったり各サービスに特化した支店が作成できる点は

　　大きなメリットですが、ペイジー非対応なので、

　　税金や社会保険料の電子納税ができない点には注意しましょう。

【３】ネット銀行で意外と役立つサービス

　ネット銀行の法人口座で意外と役に立つサービスは

　「審査なしでデビッドカードが簡単に作れる」という点も見逃せません。

　最近はクラウド型のビジネスサービスが多く

　クレジットカードがないと不便なことが多くなっています。

　実績がない小規模事業者だと法人用のクレジットカードは審査が心配ですが、

　法人口座を開設してしまえば 審査なしでVisaやMastercardブランドの

　法人デビッドカードを作ることができ、

　キャッシュバック率も１％以上になるサービスもありメリットは意外と大きいです。

【４】ネット銀行のビジネスローンや個人事業主向けのローン

　各ネット銀行ごとに特徴を確認します。

（１）楽天銀行

　　楽天スーパービジネスローン

　　①楽天グループ加盟店（楽天市場に出店している店舗）向けの融資サービス

　　②借入限度額３,０００万円と無担保のビジネスローンとしてはかなりの高額までの融資に対応

　　③金利３.０％～１５％

　　④楽天スーパービジネスローンは申込から最短で翌営業日には融資を受けることができる

　　⑤楽天スーパービジネスローンの審査の基準は楽天市場での取引実績のウエイトが大きく影響

　　⑥楽天市場内での口コミが重視される

（2）PayPay銀行

　　①借入限度額最大１,０００万円

　　②金利１.８％～１３.８％

　　③借入限度額の範囲内で何度でも借入可能

　　④事務手数料・維持費はかからない

　　⑤返済は月々２,０００円～１３万円

　　⑥法人の場合、同じ事業内容で会社の業歴が２年以上、または決算を２期終了していることが必要

　　（個人事業主として行っていた事業を法人化した場合、個人事業主からの業歴を通算可能）

（3）GMOあおぞらネット銀行

　　①借入限度額最大１,０００万円

　　②金利は０.９％～１４.０％

　　③銀行口座の直近３カ月分の入出金明細等をもとに審査

　　　決算書や事業計画書のほか、担保・保証人も不要

　　　創業初期や前年度が赤字の企業でも借りられる

　　④審査申込～借入まで最短２営業日

　　⑤融資枠の範囲内で、何度でも、いつでも、手数料不要で借入が可能
　
　　　・契約期間内であれば、融資枠内にて返済後も審査不要（年一回の再審査は別途必要）

　　　　で何回でも借入が可能
　
　　　・毎月の返済以外にも、自由に返済が可能

　　　・利息は実際に借り入れをした金額に対して発生し、

　　　　融資枠の設定のみでは費用は一切かからない

（4）住信SBIネット銀行

　　事業性融資dayta（デイタ）

　　①借入限度額最大３，０００万円

　　②借入条件（借入可能額・金利）を毎月お知らせ

　　③決算書などの書類提出不要、最短当日に借入できるので

　　　いざというときでも安心

　各銀行ごとの融資条件などは各銀行のHPなどで

　確認してください。

　融資につきましては当然返済が必要になります、

　事業計画（返済計画）を明確にして、

　余裕をもって申請しましょう。

　山口会計　山口