月刊 山口広記

お客様とのコミュニケーションを大切にする所長・山口の税金とお金と経営の話

コロナ関連給付金の税務上の処理

2020-11-05

「国や自治体からもらうお金なのに課税されるのか?」という声が

 一部の事業主から上がっています。

「助成金を充てても結果的に赤字なら税金は発生しない」

「他の事業者との課税の公平が図れない」

と言われてもなかなか納得がいかないようです。

今回は特に個人についてまとめてみます。

法人は基本的に営利法人なので原則全てが課税対象になります。

 

【1】概要

 

 事業主向けの国のコロナ補償の制度内容を見ると、

 支給対象が事業主限定であることから、

 目的は必要経費の補填であり、

 心身損害の賠償や生活費の補填を前提としていないことが伺えます。

 そのため個人であってもも事業主向けの補助金などは課税対象となります。

 

【2】10万円の特別定額給付金・・・非課税

 

 外出自粛で感染拡大防止に協力している国民全員に対し、

 家計支援の一つとして給付されるお金です。1人あたり10万円が支給されます。

 この特別定額給付金は新型コロナ税特法第4条第一号により非課税所得とされています。

 

【3】休業協力金・・・課税

 

 休業協力金は都道府県から一定期間に渡り休業や営業時間の短縮などを要請された

 事業主に対して支給されるお金です。

 自治体によって名称や支給額が異なります。

 東京都の感染拡大防止協力金については、一律50万円

 (2事業所以上で自粛する事業主には100万)となっています。

 こちらは課税対象です。

 

【4】持続化給付金・・・課税

 

 感染拡大防止対策により売上の減少などの影響を受けた事業主に対し、

「事業全般に幅広く使えるように」と経済産業省から交付される給付金です。

 中小法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円がそれぞれ支給されます。

 こちらも課税対象です。

 

【5】雇用調整助成金・・・課税

 

 コロナ禍の影響を受けても従業員に休業手当を支払うなどで

 雇用維持に努めている事業主に対し、

 厚生労働省が交付する助成金です。

 事業規模や従業員への支給割合によって異なりますが、

 中小事業者に対しては支払額の8~9割が支給されます。

 こちらも課税対象です。

 

【6】家賃支援給付金・・・課税

 

 緊急事態宣言の延長等により、売上の減少に直面する事業者にとって

 賃料等の負担が特に重くなっている現状に鑑み 事業の継続を下支えし、

 賃料等の円滑な支払に資することを目的として給付されます。

 個人事業者には最大300万円が一括支給されます。

 こちらも課税対象です。

 

【7】消費税・・・課税対象外

 

 上記の助成金・給付金は対価性がないため課税取引には該当しません。

 しがって所得税において、収入に算入されるものであっても

 消費税は課税されません。

 上記以外にも事業所がある市区町村独自の助成金・給付金もあります。

 確定申告時の取扱いには注意しましょう。 

  山口会計 山口

 

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