令和7年度の税制改正関連法 参議院本会議で可決・成立
2025-04-04
新年度の税制改正関連法は31日午後の参議院本会議で採決が行われ、
自民・公明両党や日本維新の会などの賛成多数で可決・成立しました。
個人関係で注目すべき点を抜粋します。
【1】年収103万円の壁
(1)概要
「年収103万円の壁」の見直しは、国会に提出された段階の政府案では、
「基礎控除」と「給与所得控除」を合わせた
所得税の課税最低限を103万円から123万円へ引き上げる
としていましたが、国会で修正が行われ160万円に引き上げられました。
合わせて「基礎控除」の引き上げ幅を年収に応じて変える
仕組みを導入する修正も行われました。
(2)103万円の壁とは?
基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円をあわせた103万円を
年収が超えると所得税が生じることになりますが、
この控除額を広げ、税負担を軽くすることが検討されました。
(3)課税最低ラインは160万円に
所得税が発生する年収は103万円から160万円に引き上げられました。
このうち、給与所得控除は、
最低保障額が現在の55万円から65万円に引き上げられました。
基礎控除は、年収200万円以下の人は
48万円から95万円に引き上げられました。
つまり、課税される最低ラインの年収(=課税最低限)は、
65万円と95万円をあわせた160万円になりました。
(4)基礎控除の引き上げは段階的に
基礎控除額は現行の48万円から最高95万円となりましたが
年収に応じた段階的な引き上げになっています。
①年収200万円以下なら95万円
②年収475万円以下なら88万円
③年収665万円以下なら68万円
④年収850万円以下なら63万円
⑤年収2545万円以下なら58万円
(5)期間限定措置
この上乗せは、年収200万円以下は恒久的な措置ですが、
200万円を超える人は2年間の限定措置となっています。
その後は、基礎控除は2545万円以下の人は58万円となります。
ただ冷静に読み込めば、年間160万以下で働く限り所得税上は
税額が発生しないことになります。
【2】特定扶養控除
(1)概要
大学生などを扶養する世帯の税負担を軽減する「特定扶養控除」は、
アルバイトで働く子の年収要件を今の103万円から150万円に引き上げ、
それまで親は特定扶養控除を受けられるようになります。
(2)150万を超えた場合
子の年収が150万円を超えた後も、
世帯としての手取りが減ることがないよう
控除額は段階的に縮小します。
収入が増えたにもかかわらず世帯としての手取りが減ることがないようにする措置です。
【3】その他問題点等
(1)施行はいつから
上記の制度はいずれも令和7年1月から適用され、年末調整で対応することになります。
今回の改正では幅広い年収帯で税負担が今より2万円程度軽減される計算となります。
(2)問題点
「年収の壁」の問題は、今回改正された所得税だけではありません。
住民税や社会保険料に関しても存在します。
これらの控除額の見直しは決まっていません。
今後も働き控えの一因として残る可能性があります。
改正案の付則には物価上昇にあわせて今後も控除額を見直す
方向性も盛り込まれています、期待したいところです。
山口会計 山口