個人の寄附金控除(ふるさと納税を含む)について
2024-10-07
令和6年も10月となりました。
確定申告で寄附金控除を適用したい方は年内に手続を済ませましょう。
【1】寄附金控除(所得控除)とは
個人が国もしくは地方公共団体に寄附を行った場合、
確定申告によって所得控除を受けられる制度を「寄附金控除」といいます。
控除を受けるには、特定の条件を満たす団体へ寄附(特定寄附金といいます)
をした場合と定められており、主に以下へ寄附を行った個人が対象となります。
寄附金控除の対象
1.国
2.都道府県・市区町村
3.政党・政治資金団体
4.住所地にある日本赤十字社の支部
5.学校法人・公益財団法人・公益社団法人
6.認定NPO法人
7.震災などに関連する寄附金
【2】寄附金特別控除(税額控除)とは
上記【1】の内、特定の団体に寄附した場合には、
寄附金控除に加え、寄附金特別控除(税額控除)という制度を選択できます。
つまり所得控除と税額控除のいずれかを選択できます。
税額控除の種類は以下の3つです。
1.政党等寄附金特別控除
2.公益社団法人等寄附金特別控除
3.認定NPO法人等寄附金特別控除
【3】控除額について
寄附金控除の計算式は、所得控除と税額控除で異なります。
(1)所得控除額の計算式
「年間の寄附金額」もしくは「総所得金額×40%」のいずれか少ない金額-2,000円
(2)税額控除額の計算式
①政党等寄附金特別控除
(寄附した年に支払った政党等に対する寄附金の合計額 – 2,000円)× 30%
②公益社団法人等寄附金特別控除
(寄附した年に支払った公益社団法人等に対する一定の要件を満たす寄附金の合計額 – 2,000円)
× 40%
③認定NPO法人等寄附金特別控除
(寄附した年に支払った認定NPO法人等に対する寄附金の合計額 – 2,000円)× 40%
上記①②③の寄付金の合計額については一定の限度額があります。
(3)計算結果の違い
所得控除は、「課税所得からの控除」となります。
税額控除は、課税所得に税率を掛けた後に控除額を減額するため、
控除額がそのまま所得税の減税額となります。
【4】ふるさと納税
(1)ふるさと納税とは
ふるさと納税をすると、年間の寄附金額の内、2,000円を越える金額が、
所得税及び住民税から控除されます。
ふるさと納税は、地域を問わずに全国の好きな自治体から選んで寄附ができ、
寄附先に応じて、さまざまな返礼品をもらえるのもふるさと納税の特徴です。
(ただし、住んでいる自治体にふるさと納税をした場合は、返礼品は受け取れません。)
(2)ふるさと納税の控除限度額
ふるさと納税の寄附金控除限度額は、所得税と住民税で異なります。
①所得税は、総所得金等の40%が上限となっています
②住民税は、総所得金等の30%が上限となっています
どちらも限度額を超えた金額は控除されません。
ふるさと納税をするほどお得になるということではありませんので、
あらかじめ認識しておきましょう。
(3)ワンストップ特例
自分で確定申告を行わなくても、ふるさと納税による寄附金控除が受けられる仕組みです。
本来、寄附金控除を受ける場合には、サラリーマンも含めて確定申告が必要となります。
年末調整では手続きできません。
ワンストップ特例制度を適用すると「ふるさと納税の納税先」が
「納税者の住所地の市区町村」へ税務関係の情報を連絡してくれます。
そのため、ふるさと納税をした本人が確定申告をしなくても、
市区町村のほうで控除額を計算して住民税額に反映してくれます。
(ただし、1年間の寄附先が5自治体以内の場合の特例です。)
税申告の手間や時間の削減、申告ミスの防止などにつながります。
また、確定申告の知識や経験がなくても、
ふるさと納税の手続きが行えるのが最大のメリットといえます。
まだまだ年内に寄附をする時間はあります。
年末ギリギリのタイミングではなく、余裕をもって行いましょう。
山口会計 山口