小規模企業共済制度
2015-06-30
今回は、個人事業主又は一定規模の会社等の役員が
事業を廃止した場合等に共済金を受け取れる
国がつくった経営者の退職金制度の
「小規模企業共済制度」について記載していきます。
【1】加入資格
常時使用する従業員が20人以下
(商業とサービス業(宿泊業、娯楽業を除く)では5人)
個人事業主やその経営に携わる共同経営者、
会社等の役員の方が加入できます。
【2】掛金
掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲(500円刻み)
で自由に選べます。
掛金は税法上、全額が「小規模企業共済等掛金控除」
として課税対象となる所得から控除されます。
【3】共済金(解約金)について
個人事業を廃業したり、会社等の役員を退任した
場合などに、事由に応じて共済金(解約手当金)
が支払われます。
受取方法は一括・分割・併用のいずれかを
選べます。
【4】契約者貸付制度
共済契約者は、払い込んだ掛金合計額の範囲内で
事業資金などの貸付け(担保・保証人不要)
が受けられます。
【5】共済資産の運用
払い込まれた掛金は、将来お受け取りいただく共済金
(解約手当金)の支払いに充てるため、共済資産
として他の経理と区分して管理、運用されています。
【6】加入のメリット
①最大120%相当額が戻ってくる
②掛金分が節税になる
(個人の所得税・住民税が節税となる)
③受取時、退職金代わりで税負担が軽くなる
④無理のない額を積み立てできる
⑤資金繰りに困ったときの資金調達の手段になる
上記①-⑤については詳細の確認が必要になります。
【7】加入のデメリット
①元本割れのリスク
掛金納付月数が240ヵ月(20年)未満の場合は
解約時元本割れとなります、共済に加入したが
数年で解約してしまった場合などは
「節税効果 < 元本割れの金額」
となる場合があるため、慎重な検討が必要です。
②共済金受取時に課税される
積立時には節税できますが、戻ってきた共済金に課税されます。
つまり「課税を先送りにできる制度」となります。
将来、共済金(解約手当金)を受け取った際には、
受け取った年に課税されるので注意が必要です。
ただし、メリットの項目で述べた通り、
その共済金受取時の税負担は軽減されるため、
トータルで考えると大きなデメリット
にはならないケ-スがあります。
上記のように加入者個人の将来資金の準備に役立つ制度といえます。
メリット・デメリットもあるので、将来設計と共に制度の詳細を
理解して加入しましょう。
ご興味のある方はいつでも御相談下さい。