新NISAの気になる疑問点
2024-01-15
前回新NISAの基本的なことを記載しました。
令和6年からの施行に合わせて
疑問点等を整理してみます。
【1】現行NISAを利用している人も、新NISAの口座開設の手続きは必要か?
現行NISAを利用している人は、新NISAの口座開設の手続きは不要です。
2024年1月につみたて投資枠と成長投資枠の両方の口座が自動で開かれます。
【2】現行NISAで投資した商品を新NISAの口座にロールオーバーできるか?
結論は、現行NISAで投資した商品は非課税期間終了後に新NISA口座に
ロールオーバーできません。
新NISAでは非課税期間が無期限となるため、現行制度のように
「非課税期間終了時に新たな非課税枠に移し替えたい」
という需要がそもそも生じません。
そのため、「ロールオーバー」という仕組み自体はなくなります。
【3】つみたて投資枠と成長投資枠の併用はできないか?
新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の併用は可能です。
つみたて投資枠の方が成長投資枠よりも、対象商品の基準が厳しいです。
そのためつみたて投資枠の対象商品は全て成長投資枠の対象となり、
両方で同じ商品に同時に投資することもできます。
結果的に生涯投資枠の1800万円をつみたて投資枠だけで利用することも可能です。
【4】海外赴任した場合NISA口座はどうなるか?
2019年度の税制改正により、海外転勤などで一時的に出国する場合でも、
NISA口座で資産を最長5年保有できるようになりました。
しかし、海外赴任中もNISA口座を保有するためには、
出国前と帰国後に手続きが必要です。
まず出国前には、「(非課税口座)継続適用届出書」を金融機関に提出しましょう。
これは、出国する日の前日までに提出する必要があります。
帰国したら、「(非課税口座)帰国届出書」を金融機関に提出しましょう。
提出しなかった場合は、NISA口座は自動的に廃止され、
保有商品は特定口座または一般口座へ移管されます。
本来であれば非課税であるはずが、
税金がかかることになってしまうため、こちらも忘れず提出しましょう。
【5】相続発生時、非課税のまま相続人に引き継げるのか?
相続が開始した時点で被相続人のNISA口座は終了し、
相続人の一般口座または特定口座に相続時の時価で移管することになります。
したがって、NISA口座の投資商品を売却する際、
相続以降に発生した含み益には、税金がかかることになります。
ただし亡くなった方がNISA口座で投資した商品の取得価額より相続発生日の時価が大きい場合、
その相続開始時までの差額利益については、税金がかかりません。
新NISAについては非課税枠の増枠により注目されています、メリット・デメリット
を把握して検討してみましょう。
山口会計 山口