確定拠出年金の2022年4月以降の改正項目
2021-12-13
iDeCo(イデコ・個人型DC)に代表される
確定拠出年金の2022年4月以降の改正項目の
ポイントや留意点を確認します。
【1】確定拠出年金とは
「iDeCo」や「企業型DC」どちらも
「確定拠出年金」という制度で、
老後資金を準備するために非課税で資産運用できるものです。
いずれも掛金には一定の上限があります。
【2】iDeCo(個人型確定拠出年金)
自分で掛金の額を決め、拠出する制度です。
掛金全額が所得控除の対象となります。
【3】企業型DC(企業型確定拠出年金)
会社員や公務員などの給与所得者が対象で、
会社が決まったルールに基づき、従業員に代わり掛金を拠出する制度です。
会社が掛金を負担するため、所得控除の対象にはなりません。
ただし、会社の掛金に上乗せして自分で掛金を拠出できる制度
(マッチング拠出)が導入されている場合、
上乗せした掛金については全額が所得控除の対象となります。
【4】受給開始時期の上限が60歳から75歳までに(2022年4月~)
企業型DCおよびiDeCoの受給開始時期の選択範囲が、
「60歳から70歳の間」から「60歳から75歳の間」に拡大されます。
これは加入可能年齢の延長に先駆けて、2022年4月に施行されます。
【5】加入可能年齢の拡大(2022年5月~)
(1)iDeCo
現在の加入可能年齢は60歳未満となっています。
今後は厚生年金被保険者であれば、
64歳までの加入が可能です。
また、国民年金に任意加入している人であれば、
64歳まで加入が可能です。
(2)企業型DC
企業型DCの加入可能年齢は原則60歳未満(特別な規定により
64歳未満まで可能)となっていますが、
2022年5月以降は厚生年金被保険者であれば70歳未満の方
でも加入できるよう、加入可能年齢が拡大します。
【6】企業型DC加入者のiDeCo加入条件が緩和(2022年10月~)
現行法では、企業型DCの加入者がiDeCoへの加入が認められるのは、
規約で定め、労使の合意が必要です。
なおかつ、その際には、
企業型DCの事業主掛金額上限を引き下げた場合に限定されています。
改正後は、この規約の定めや掛金額の上限の引き下げも不要で、
原則として希望者はiDeCoに加入できるようになります。
ただし 加入している企業型DCで、「マッチング拠出」
を行っている場合は、iDeCoに加入することはできません。
【7】企業型DCの規約変更手続きの簡素化(2022年10月~)
企業型DCは、規約の変更にあたっては労使の合意や
厚生労働大臣の承認が必要です。
この規約変更の届出の手続きが一部簡素化されることなり、
軽微な変更で省令に定めるものについては、届出不要となります。
【8】その他
確定拠出年金は公的年金の上乗せとして2001年10月に
導入された制度です。
これまでも様々な改正がありましたが
今回も制度内容を理解してご自身の老後生活資金の充実に
役立てていきましょう。
山口会計 山口
【以前のiDeCo(個人型確定拠出年金)についての記事はこちら】