結婚・出産などの贈与非課税制度 2015年度創設へ
2015-01-30
平成27年度税制改正では、
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」
が創設されるようです。
【1】概要
受贈者(20歳以上50歳未満の個人・子や孫)の結婚・子育て資金
の支払に充てるためその直系尊属(親や祖父母)が金銭等を拠出し、
金融機関に信託等をした場合には、
その拠出金額等のうち受贈者1人につき1,000万円までの金額
に相当する部分の価額については、
平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に拠出されるものに限り、
贈与税を課さないとする制度です。
【2】結婚・子育て資金とは
(1)結婚に際して支出する婚礼(結婚披露を含む。)
に要する費用、住居に要する費用及び引っ越しに要する費用
(2)妊娠に要する費用、出産に要する費用、子の医療費及び子の保育料
上記のうち、一定のものに充てるための金銭をいいます。
具体的には、挙式費用、新居の住居費、引越費用、不妊治療費、産後ケア費用、
ベビーシッター費を含む子の保育費などが想定されているようです。
ただし結婚に際して支出する費用については300万円を限度とされるようです。
【3】払出しの確認等
受贈者は、払い出した金銭を結婚・子育て資金の支払いに充当したことを
証する書類を金融機関に提出しなければなりません。
金融機関は、提出された書類により払い出された金銭が結婚・子育て資金
の支払いに充当されたことを確認し、その合計金額を記載した調書を
受贈者の所轄税務署長に提出します。
【4】管理契約の終了
次に掲げる事由に該当した場合には契約は終了します。
(1)受贈者が50歳に達した場合
(2)受贈者が死亡した場合
(3)信託財産等の価額が零となった場合
【5】残額の取り扱い
上記【4】(1)に掲げる事由に該当したことにより契約が終了した場合に
拠出金額に残額があるときは、その事由に該当した日にその残額の
贈与があったものとして受贈者に贈与税を課します。
【6】総括
この制度は高齢者から若年層世代への資産移転を通じ国内消費の
活性化につなげるのが狙い。
順調にいけば平成27年3月頃閣議決定され平成27年4月以降施行
されますが詳細が変更されることもあります。
今後の動きに注目です。