iDeCo+(イデコプラス)とは
2020-07-14
過去のブログで、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の説明を
しましたが、今回はiDeCo+について説明します。
【1】iDeCoの復習
私的年金の制度で、加入は任意になります。
自分で掛金を拠出し、ご自分で運用方法を選んで掛金を運用します。
掛金が社会保険料控除の対象になるなどの税制上のメリットがあります。
【2】iDeCo+(イデコプラス)とは
(1)概要
従業員が個人で加入しているiDeCoの掛金に対して、事業主が掛金を
上乗せする制度であるため「中小事業主掛金納付制度」とも言われています。
従業員の老後の所得確保に向けた支援を行うことができる制度になります。
(2)適用事業主
企業年金(企業型確定拠出年金、確定給付企業年金、厚生年金基金)を実施
していない中小企業(従業員100人以下に限る。)の事業主が加入できます。
ただし、同じ事業主が複数の事業所を経営している場合、
全事業所の従業員の合計が100人以下であることが必要です。
(3)税制上のメリット
事業主が拠出した掛金は、全額が損金に算入されるというメリットがあります。
(4)拠出対象者
iDeCoに加入している従業員のうち、事業主掛金を拠出されることに同意した加入者。
拠出対象者に一定の資格(職種、勤続期間)を設けることも可能です。
iDeCoの加入者とならない従業員に対して、加入を強制したり、
事業主掛金のみを拠出することはできません。
(5)掛金設定
加入者掛金と事業主掛金の合計額は、月額5,000円以上23,000円以下の範囲で、
加入者と事業主がそれぞれ1,000円単位で決定できます。
加入者掛金を0円とすることはできませんが、
事業主掛金が加入者掛金を上回ることは可能です。
(6)納付方法
加入者掛金と事業主掛金を事業主がとりまとめて納付します。
加入者掛金は給与天引きなどで徴収します。
【3】その他注意点
(1)加入にあたり従業員の同意が必要
従業員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、
従業員の過半数で組織する労働組合がないときは従業員の過半数を代表する者に、
iDeCo+を実施することや掛金額について同意を得る(労使合意をする)ことが必要。
(2)手続
必要な事項(対象従業員、事業主掛金等)を地方厚生(支)局
及び国民年金基金連合会に届け出る必要があります。
iDeCo+はあまり知られていないかもしれませんがiDeCoとともに
理解しておきましょう。
山口会計 山口