事業目的について
2019-12-02
以前のコラムで会社の基本事項についてご説明しましたが、
今回はその中の「事業目的」について掘り下げていこうと思います。
事業目的とは、その会社が何をすることを目的とした会社なのかを明確にするもので、
会社の定款の中に必ず記載しなければならない事項です。
そして、原則として会社は定款に定めた目的の範囲内でしか活動できません。
したがって、設立の際には慎重に目的を決める必要があり、会社の設立後に定款に規定されていない事業を行おうとする場合には、必ず定款の事業目的を変更して登記する必要があります。
「目的」は、①明確性、②具体性、③営利性、④適法性を満たす必要があります。
ただし、会社法では①②について規制が緩和され、抽象的・包括的な目的でも登記は可能になりました。
しかし、冒頭の通り会社がどのような事業を行っているかを表しますので、できるだけ事業内容を具体的に記載したほうが良いでしょう。
※注意※ 許認可が必要な事業を行う場合は注意が必要です!
会社が行う事業の中には、事業を開始するにあたり、関係行政庁の許認可を必要とするものがあります。
許認可を受けるためには、まず会社の目的にその事業目的を載せておく必要があります。
目的を変更するには定款の変更および登記が必要ですので、会社を設立する際にはこれから具体的に行う予定の事業内容のほかにも、将来行いたい事業内容をあらかじめ記載しておきましょう。
また、目的の最後には「前各号に付帯する一切の業務」を定型の文言として入れておきましょう。これを入れることにより、目的の解釈に幅が出るので通常は記載します。
◆許認可が必要な業種の一例
業種 | 担当窓口 | 種別 |
建設業 | 都道府県 | 許可 |
宅地建物取引業 | 都道府県 | 免許 |
産業廃棄物処理業 | 都道府県 | 許可 |
美容業 | 保健所 | 届出 |
理容業 | 保健所 | 届出 |
飲食店業 | 保健所 | 許可 |
職業紹介業 | 公共職業安定所 | 許可 |
旅館業 | 保健所 | 許可 |
クリーニング業 | 保健所 | 届出 |
貸金業 | 都道府県 | 登録 |
風俗営業 | 警察署 | 許可 |
米穀類販売業 | 市区町村 | 登録 |
酒類販売業 | 税務署 | 免許 |
薬局 | 都道府県 | 許可 |
医薬品販売業 | 都道府県薬務課 | 許可 |
中古品販売業 | 警察署 | 許可 |
乳類販売業 | 保健所 | 許可 |
食肉販売業 | 保健所 | 許可 |
魚介類販売業 | 保健所 | 許可 |