利益が出ているのに倒産?①
2014-05-20
利益が出ているのに倒産してしまうことを「黒字倒産」といいます。
今回と次回の2回で、
①黒字倒産の起こる理由
②黒字倒産を起こさないために大切なこと
を考えてみようと思います。
①黒字倒産の起こる理由
1「利益」とは何か?
「利益」とは何でしょうか?
利益は「売上-経費」の残った部分ですね。
ではさらに質問です。
「利益=残ったお金」
でしょうか?
答えは
場合によって変わります。
事業形態によっては、
飲食店や美容院等では、カード売上であったり、
請負業務では、仕事が完了して一旦請求書を発行し、数カ月後に入金
というように、売上から入金まで時間がかかる場合が
あります。
上記のように、物を売ったと同時に、
すぐにお金の入ってこない会社は「利益=残ったお金」では
ありません。
反対に、仕入も売上も現金のやり取りしかしていない会社は
基本的には「利益=残ったお金」となるはずです。
2「売上」を帳簿に記載する日はいつ?
では、そもそも、利益の元手である売上は
いつ計上するのでしょうか?
A.お客様に品物を渡した日、又は仕事が終わった日
B.お金が手元に入ってきた日
さて、、どちらでしょうか?
答えは
A「お客様に品物を渡した日(仕事が終わった日)」
です。
これは、会計上のルールです。
「どっちだって好きな方にすればいい」
と思いがちですが、意外とそういう訳にはいきません。
例えば、5月を決算日とする、Y社とM社があったとしましょう。
各々4月1日に100円のリンゴを売りました。
お客様は6月1日に100円を入金してくれる約束をしてくれました。
さて、
Y社はリンゴを売った4月1日に売上を帳簿に記入しました。
M社はお金が入ってきた6月1日に売上を帳簿に記入しました。
Y社とM社の決算日である5月31日のそれぞれの利益を見てみましょう。
経費が全くかからなかったと仮定して
Y社は利益100円
M社は利益0円
となります。同じ取引をしていながら、帳簿に記載する日が
違っているだけで全く違う利益になってしまいました。
Y社とM社の内容を全く知らない人が利益だけ見たらどうでしょうか?
「M社とは取引したくない」と思うかもしれません。
このような誤解を防ぐために
売上は「お客様に品物を渡した日に計上する」というルールを決めているのです。
だから、計上と入金が別の日の場合、
利益=残ったお金ではない
ということになると、頭の片隅に入れておいてください。
※上記では売上をピックアップしましたが、仕入や経費も同じように
お金を払った日ではなく、仕入日や購入日で帳簿に計上します。