資金繰表を作成しよう!
2014-10-07
少し前に、「利益とお金の残高は一致するのか?」というお話しをしました。
(参考)
利益が出ているのに倒産?①
利益が出ているのに倒産?②
上記のページの結論としては、掛取引・手形取引やカードを介した取引等の
「信用取引」を行っていたり、
大きな買い物をした場合・借入をしている場合等は、
利益=お金の残高とはなりません。・・・ということでした。
このような利益とお金の動きが一致していない場合は、
決算書の損益計算書の利益から、お金の残高は分かりませんし、
お金の将来の動きもわかりません。
よって、決算書とは別に、自作で資金繰表を作成することをお勧めします。
ということで、今回は「資金繰表の作成」についてお話ししたいと思います。
◎資金繰表の役割
~将来のお金を把握するもの~
資金繰表は「今後、会社のお金の動きはどうなるのか」を
予測するものです。前月の残高を記入し、今月以降の予想される収入・支払を
記入していくことで、「ここで、お金の残高が少なくなるな」とか、
銀行の通帳を見ているだけではわからないことが、わかるようになります。
よって、お金の動きの予測が立ちますので、
「このぐらいの時期に借入をした方がよい」等の対策を立てることが出来ます。
◎資金繰表の作成は簡単!
簡単な資金繰表は以下の算式で作成できます。
「前月の繰越残高」+当月の収入−当月の支払=「翌月の繰越」
「資金繰」という言葉は難しそうに感じますが、
これが基本形で、家計簿とそんなに変わりません。
例えば、
3月31日に100,000円のお金があったとします。
4月1日から4月30日の間に900,000円お金が入ってきて、
4月1日から4月30日の間に800,000円お金を払いました。
結果、
4月30日現在、月末に200,000円のお金が残った、
ということを表す表です。
表は特に決まったものがある訳ではありませんので、
自分が使いやすいように、エクセルで工夫してみてください。
参考にひとつ、資金繰表のサンプルをご紹介します。
◎資金繰表(4分法)
◆横軸は、月を並べていきます。
◆縦軸は収入・支出の内容を書きます。
上から見ていきましょう。
まず、前月繰越があります。
次に収入として、
・現金売上、売掛金の回収、
・受取手形の取立(期日が来て、手形が現金化されるもの)
・手形割引(手形を銀行に持っていってお金に換えるということ)
があります。
この表では、
合計で14,900円の収入があることがわかります。
支出としては、
・現金仕入
・買掛金・支払手形の支払
・経費
・支払利息
・借入金の返済もあります。
合計で14,300円のお金を支払う予定があります。
前月の繰越が1,800円あり、
収入が14,900円、
支払が14,300円あって、
残ったお金が2,400円です。
ここで、注意することは、
記入する時期と金額は、売上とか費用の発生ではなく、
「売掛金の回収」「借入金をした」「手形を割引した」
または「借入金を返した」「手形の決済をした」
など、「お金が実際に動く時点でのその金額」をこの資金繰表に書くことです。
今ご紹介したものは、月単位ですが、日毎・週・月・3ヶ月・半年・1年
と色々ありますので、ご自身の会社に合うパターンを探してみてください。