資金調達方法のバランス
2019-09-30
前回までは、5回に渡って資金調達の種類をお話ししました。
それを踏まえて今回は、この資金調達の種類(自己資金・出資・借入金・補助金等)
のバランスが、「どれくらいが適正なのか?」を考える方法をお話ししたいと思います。
実はこの適正値というのは、起業した会社の状況に応じて変わりますので、
一概に「これ位」と申し上げることが出来ません。
よって、資金調達を考えるときは、まず以下のことを順番に考え
自社にとって最適な資金調達のバランスを見つける必要があります。
① 必要資金を計算する。
起業時には、最初に投資する設備にかかる「設備資金」と、
実際に営業を始めてから軌道に乗るまでにかかる「運転資金」とが
必要になります。
「設備資金」
必要な設備を全てリストアップして、業者に見積もりを取ったり、
インターネットで価格を検索して必要な金額を算出しましょう。
「運転資金」
運転資金は営業を開始してから、売上が安定して入金されるまで
の間に必ず払う必要経費の合計額です。(例:商品代、給料、賃料、
水道光熱費等)
業種によって変わりますが、3-4ヶ月分の資金は必要です。
② 現状用意できる自己資金がいくらか調べる。
この自己資金ですが、必ず生活費を確保した上で計算してください。
手持ちのお金を全部事業資金に回してしまうと、生活が出来なくなってしまいます。
生活費として、営業が安定するまでの3-4ヶ月分は最低でも確保しておきましょう。
③ ①と②の差額の不足資金を計算する。
例えば、設備資金に5,000万円、運転資金に450万が必要であり、自己資金として1,500万を確保出来る場合であれば、不足資金は=(5000+450)-1500=3,950万円となります。
④ ③の不足資金の調達方法を考える。
足りない分を補てんする方法としては、出資・借入金・補助金等の中から
選ぶことになります。
それぞれメリットデメリットがありますので、よく検討してください。
例えば、日本政策金融公庫の調査によると、
創業資金総額に占める自己資金の割合は約30%となっています。
この調査結果からわかるように、
ある程度の自己資金を用意して創業している方が多いようです。
もちろん自己資金は多いに越したことはありません。
しかし、多ければそれでよいかと言えばそうではありません。
やはり、事業計画等による返済見込みの検討が必要不可欠です。
もし、不足資金全額の調達が難しいのであれば、
①の必要資金の計算を再検討し、スムーズに起業できるように考えましょう。