2018-11-01
Special interviewBAKERY
ENGLAND STREET 様
【お店をまるごと味わってほしい】
椿峰小学校の目の前にひっそりとたち、一歩店内に足を踏み入れると一気にアンティークな世界が広がります。
H30.8.3新店舗に移転し、ますますその世界観であふれる魅力的なお店ですが、そんなシェフのこだわりとこれまでの経緯をお伺いしました。
Interview
–パン屋さんになろうと思ったきっかけは何でしょうか?
まず目標として飲食業で食べていく、好きなことで食べていくと高校生のころから決めていて、その延長線上にパン屋がありました。
元々パンにこだわらず食べることが好きで、板前として日本料理や懐石料理の経験もあります。
–パンの勉強や経験はどのようなところで積まれたのですか?
恵比寿のセブン・クウォーターというパン屋兼ケーキ屋さんが最初です。
その後、昔の料理仲間が新潟でパン屋をやるという夢があり誘ってもらいました。
新潟市東区にあるBOULANGERIE La Table (ブランジェリー ラ・ターブル)というお店で、7年勤めたのちに独立しました。
今でもその時の縁で新潟の小麦粉【丸栄製粉】を使用しています。
独立してからは11年が経ちました。
–店名の由来は何ですか?
イギリスのコッツウォルズの田舎にあるパブが理想にあり、そこからイギリスの道というストレートな発想です。
そもそもコッツウォルズに関心を持ったのはアンティークな照明器具からで、少しずつ買い集めるうちにそのアンティークなものでいっぱいのお店があったら魅力的だと思うようになりました。
▲店内にあるイートインスペース。こぢんまりとしたスペースながら細部にわたりこだわりの装飾が並ぶ。購入したばかりのふっくらとしたパンの香りがより引き立つ。旧店舗から引き継いだものもあり、それに気が付いてくれる常連さんもいる。
–お店をやっていく上でのこだわりは?
流行りに左右されず、自分自身が美味しいと思えるもののみを作ることです。
–新しいパンはどのように考えて作っていますか?
とにかく思いついたまま手をつけ、一度思いきり失敗させてその中にいくつか修正点が見えてくるので、そこからブラッシュアップして2~3度ほどで作り上げます。
性格的に、研究したり計算したりするよりもインスピレーションで作った方が美味しくできます。
パンに限らず色んなものを食べてヒントを得ています。
▲定番ものから、他にはない食材の組み合わせのパンが並び目移りしてしまう。写真右上の鶏とローズマリーのドリアを食したが、ローズマリーの香りがとても良く周りのデニッシュ生地としっとりしたドリアが意外にもマッチしていて美味しかった。
–一番好きなパンは何ですか?
技術的に好きなのはクロワッサンとフランスパンで、純粋に食べ物として好きなのはハムコーンです。
▲一から自分の手で作り上げて来たものが、自分の想像を超えて窯から出てきたりおいしそうに焼けていたりするととても嬉しいとシェフに教えていただきました。写真左上がハムコーン。最後に残っていれば必ず食べるほどお好きだという。
–今、お店で一番おすすめのパンは何ですか?
お客さんに好みを聞いても色々と返って来るので、それぞれ好きなものを食べてほしいなと思います。
漠然と一番のおすすめを聞かれても答えるのに難しいので、だいたいでも好みの系統(ハード系・デニッシュ系など)で絞って聞いてもらえると答えやすいです。
–店舗移転の理由は何でしょうか?
移転前は賃貸で制限が多く限界があったので、お店をまるごと味わっていただくには移転(自分のお店を建てる)が一番だと思いました。
移転後も実際に作業しながら頻繁にレイアウトを変更していて、納得するまでいろいろ試していきたいと思っています。
パンだけでなく、お店そのものからひとつの世界を創ることで、お客様に夢を見て頂きたいなと思います。
▲お店に入る前からアンティークな世界観に溢れる。入口向かって右側のスペースでも食事が可能で、そこから見える景観も抜け感があり心地よい。
–パン屋さんをやっていなかったとしたら、何の仕事をしていたと思いますか?
ビストロのような飲食店をやっていたと思います。
飲食業でなければ生き物にかかわる仕事をしてみたいです。
–そのままでも美味しいけれど、このひと工夫をしたら実はもっとおいしいという食べ方はありますか?
いつもやるのは、サンドイッチは具材に限らず焼いて食べています。レタスなどの生野菜やチーズ、生ハムなどなんでもです。
その方が、冷蔵庫で冷やされて固まったパンも柔らかくなるし、内側に塗ったバターやオリーブオイルも香りがたって美味しいです。
もしレタスが温まってしんなりするのが嫌でなければ試してみてください。
お店で食べていく場合には焼き直しをサービスしています。
–お客様にこういうパンを作ってほしいと言われたパンが、全く自分が作りたくないパンだとしたらどうしますか?
どうして作ってほしいのか理由を聞いてそれに共感すれば作ります。
最近は一升パンを作りました。子供のためと言われたら作らないわけにはいかないですね。
そのほかリクエストとしてはサンドイッチの詰め合わせが多いです。
デザインの凝ったパンを依頼されて作ることもありますが自己満足でやっています。
▲宅急便のドライバーが荷物を運ぶついでにパンを買っていったり、小さい子供連れの親子が店内のカウンターでパンを食べて行ったり、何度かお見掛けしたことのある常連さんがいらしたりと、短い取材の間にも近隣住民の方々に愛されている様子が伺えた。
–山口会計とのお付き合いのキッカケを教えてください。
岡本さん(山口会計の所員)の紹介です。
岡本さんとは、共通の知人(パン屋オーナー)がいて、その人に岡本さんを紹介してもらいました。
–山口会計の担当者に対して、ご要望をお聞かせください。
税理士事務所の担当者として、こう言わなければならないという言葉の先をウィットに富んだジョークを交えて教えてほしいです。
担当者個人として、もっとこうしてみたらどうか?という挑戦的な何かがあったら面白いなと思います。
普段は堅実に資料をきっちりと説明してくれて、とても真面目で助かっています。
▲取材時は、受注したバンズを手際良くつくりながらお答えいただいた。このバンズは航空公園で所沢牛を使ったハンバーガーになり、今回の依頼はなんと1000個とのこと!
担当者より
今回の取材を通して、改めてわかったことがあります。それは、イングランドストリートさんでは、
ただ、パンを売っているだけではないということです。
パンだけでなく、店舗建物やアンティークの建具や装飾品などを通して、
「お店をまるごと味わってほしい」
そんな想いをお客様に日々届けているのです。
その想いは創業以来変わることなく、今回のリニューアルオープンも、
その想いは一貫していて、むしろ、その想いがより一層強くなった結果でした。
かく言う私も、アンティークには明るい方ではないですが、
定期的にお店に伺っていると、確かに夢をみているような心地になります。
ただ、その雰囲気のなかであっても、職業柄、どうしても現実的な堅い話をしてしまうのですが・・・
また、担当者の私について、「堅実」とのコメントを頂戴しました。
この仕事をしている以上、「堅実」という評価は、大変嬉しいものと受け取りたいです。
しかしながら、お客様を守ることが、私達の使命であると想うが故に、
どうしても保守的になりがちな傾向にあることは否めません。
今後、お客様のためになることは、さらに提案していきたいです。
そして、お客様と共に成長できるように、担当者として、お客様と二人三脚で歩んでいきたいと思います。
パン屋 BAKERY
ENGLAND STREET 様
所沢市山口5122(椿峰小学校前)
http://www.england-st.com/index.html
※平成30年10月現在の情報です。取材者の主観で記載しています。