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『決算書を眺めて自社の借入能力がパッと分かる≪個人的≫3つの目安~part③』

2013-08-27

前々回から「自社の借入能力がパッと分かる3つの目安」をご紹介しています。

 

≪過去記事≫

Part① http://blogs.yahoo.co.jp/yamaguchi_zeimu/31932800.html

 
 

今回は3つ目、最後の「経常運転資金」をご紹介します。

 

今回は、あくまで「設備投資のため」の借入ではなく、「運転資金として」の借入に

限定したお話しをします。

 

「経常運転資金」は、一般的には、

 

 売上債権(売掛金+受取手形)+棚卸資産-買入債務(買掛金+支払手形)

 

で計算します。



 
 
 

売掛債権は売上として計上はされてはいますが、お金だけまだ回収できていないものです。

棚卸資産は売れていない在庫で、お金は払っていますがまだ経費計上されていないものです。

それに対して買入債務は、実際買っているので経費計上されていますが、まだお金を支払っていないものです。

 

つまり、これらの金額は、計算上の利益と実際のお金の流れが合っていないものです。

上記の金額で計算した金額は、経常的に、計算された利益より実際のお金が足りなくなります。

 

利益がトントン(ゼロ)であれば、計算上はこの経常運転資金分だけお金が足りなくなるのです。

 
 

よく「運転資金として借りる」と言いますが、それはこの不足額を補填するために借りることを言います。

 

逆に言うと、この経常運転資金以上に運転資金としての借入をしている場合には、

実際は運転資金の補填ではなくて、赤字の補填として借入をしていることが多いので

気をつけなくてはなりません。

 

『勘定合って銭足らず』とはよく言いますが、この経常運転資金の金額が大きくなっていないか、チェックされることがとても重要です。

 
 

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3回にわたり「自社の借入能力がパッと分かる3つの目安」をご紹介しました。

 

実際には、これらは決算書を使用したあくまで一般的な目安の数値ですので、

目安を超えているからといって、これ以上絶対に貸してくれないということはありませんし、逆に目安以内だからといって絶対に借入が出来るというわけでもありません。

 

業種やビジネスモデルに応じて考慮すべきことは各社ごとにありますし、事業は日々動き状況は変わっています。

大事なのは、社長さんご自身が自社の内容をよく理解し、それを踏まえた上で、何をどうしていくかという具体的な施策を数値に乗せて語ることが出来るかということだと思います。

 

そのお手伝いをするのが私たち会計事務所の役割のひとつだと思っています。



山口会計

神庭

 

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