『決算書を眺めて自社の借入能力がパッと分かる≪個人的≫3つの目安~part②』
2013-07-22
前回の記事で、「自社の借入能力がパッと分かる3つの目安」ということで、
第1回目は『債務償還年数』をご紹介しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/yamaguchi_zeimu/31932800.html
今回は2つ目の目安、『年間の粗利益』をご紹介します。
『年間の粗利益』は、損益計算書を見ると分かります。
粗利益とは、売上高から売上原価を差し引いた利益で、
売上総利益と同じものです。
実際には、借入金の残高と年間の粗利益には相関関係がある訳ではありません。
借入金の返済は、とりわけ資産の処分などがなければ、
税引き後の利益を原資として何年かで返済していくことが王道です。
一般的には借入金残高が年間の粗利益を超える状態になると
利益から返済していくというのがかなり厳しくなることが多いと言われています。
ただし、銀行が融資の判断をする際には、年間の粗利益ではなく、
『売上高の○ヵ月分』といった見方をします。
でも、業種や商売の仕方によっては原価率が大きく異なることも多いため、
返済能力を測るという意味では、売上高を基準に考えるのは危険なことだと
個人的には思っています。
しかし、実際に融資の可否の判断を銀行がする場合に、
『売上高の○ヵ月分』という見方をすることがあるのは事実です。
例えば、経理処理の仕方で、売上高と売上原価を相殺した純額表示ではなく、
売上高と売上原価を両建てにした総額表示をとることによって、
決算書上の売上高が大きく見えるようになるケースもあります。
そのような経理処理の仕方ひとつで融資の審査の際に有利に働くことがあるかもしれない
ということは知っておくと良いかもしれません。
神庭