今年読んだ本のうちお気に入りの3冊
2011-12-27
2011年も残すところ1週間をきりました。
年始の目標のひとつに読書をすることを挙げていましたが、
充分に読めはしなかったと反省しています。
そうではありますが、2011年に読んだ本の中から
もう一度振り返って思い出す意味も込めて、
自分にとっては特に良かった3冊をご紹介したいと思います。
中小企業の経営を強固にするために会計をいかに使い倒すかを目的とした本です。
私も会計事務所に勤める身でたくさんの中小企業の社長さんと接させていただいていますが、
いかに会計を経営に役立てていただくかということは、常に課題として考えていることです。
本書に書かれているように中小企業の決算書は、税法・節税・作成方法などの様々な要因で
歪められ、社長の経営とはかけ離れたものになってしまっています。
そんな現状を受け止め、ある意味では限界も認めつつ、いかに会計を経営に生かしていくかという
課題に、真っ向から向き合っている読み応えのある1冊です。
会計人の常識は実際の経営においては非常識。
経営者の方はもちろん、会計事務所の方にとっても読む価値がある本だと思います。
「シンプルな財務構造を保つ」「自社のあらゆる構造をシンプルにする」ことが中小企業にとって
とても重要だという著者の考えにはとても共感します。
24歳で起業し、「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という夢を形にしてきた著者。
山あり谷ありの道のりの中で感じてきた心の声のプロセスを1冊の本にまとめてくれています。
『失敗したって、実は日本人であるだけで、とても社会から守られていることに感謝したい』
『どんなに小さくてもみつかる自分の役割を突き詰めていくと、自然と「オリジナル」なものになっていく』
『何かをはじめようと思うときに必要なのは現実的なエクセルよりも「夢のスケッチブック」なんじゃないかな』
『変化しないって、すごいリスクだよね』
このような心に突き刺さる言葉が随所に散りばめられていて、
自分の心の声に素直に生きていきたい!と前向きな気持ちにさせてくれます。
さらっと力まずに読めるし、特に若い方にはオススメです!
冷え切った日本経済、未来に希望を感じられない昨今の世の中・・・
そんな厳しい中で若者が強く生き、自ら新しい「希望」を作り出すために
武器を持ち、いかに戦っていくかについてを京大の人気講師が語った本です。
本書の中でも特に印象に残ったのは、
差別特性がない「コモディティ」とは一線を画するものであっても、
「トレーダー」「エキスパート」はいずれ衰退していくということ。
かつては尊敬の的であった「営業力」であったり「専門性」であったりが風前の灯となっているということです。
確かに、営業マンを通さなくてもインターネットで欲しいものを比較検討して買うことができる時代ですし、
長い期間をかけて培う専門的な知識もあっという間に古いものになってしまう時代です。
本書では個人を前提に生き残る術を書いてありますが、これは会社にも当てはまることだと思います。
「○○を作っている」とか「△△を売っている」とかよりももっと本質的なところで、
「社会にどういう風に役立っている」とか「社会のこんな問題を解決している」とかを語れるように
生きていくということが大事だと思いました。
と簡単に振り返ってみました。
来年はまた素晴らしい本と出会い、そこから学んだことを身に付け、そしてそのことを周りにフィードバック
できるような年にできたらと思います。
山口会計 神庭