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働き方改革〜有給休暇取得義務化〜

2019-02-23

こんにちは!

 

働き方改革法案が成立し、すべての会社で、年間の有給休暇消化日数が5日未満の従業員については、会社が有給休暇を取得するべき日を指定する事が義務付けられました。

 

平成31年4月から施行なので、あと1か月位で始まります・・。中小企業の適用猶予制度はないので、規模問わず、従業員がいる全ての法人・個人事業主が対象になります。

 

今回の法改正に有給休暇取得日の指定の義務付けの内容と、必要な対応は・・

 

①最低でも5日以上有給消化をさせる事が義務付けられた

 

年10日以上有給休暇の権利がある従業員について、最低でも5日以上は有給休暇を与える事が義務付けられました。

 

対象となる従業員は、(出勤率が80パーセント以上である事が条件です。)

 

・入社後6カ月が経過している正社員、フルタイムの契約社員

・入社後6カ月が経過している週30時間以上勤務のパート、アルバイト

・入社後3年6カ月が経過している週4日勤務のパート、アルバイト

・入社後5年6カ月が経過している週3日勤務のパート、アルバイト

 

上記の従業員が該当する事になります。

 

基本的に年10日以上の有給休暇の権利が発生する方が対象なので、出勤率が80パーセントに満たない場合や、週2日以下のパート、アルバイト(週3日、4日のパート、アルバイトは、勤務年数による)などは対象になりません。

 

また、改正法による有給休暇取得日指定の義務になる場合でも、計画年休制度により有給休暇取得していたり、従業員からの請求により有給休暇を消化している場合は、有給休暇取得日指定の義務の日数から差し引かれます。

 

例えば、従業員からの請求により有給休暇を2日消化済みの場合は、残り3日有給休暇取得日を会社側で指定すれば問題ありません。

 

②指定義務

 

会社に課される有給休暇取得日指定の義務は、基準日から1年間に有給休暇消化日数が5日未満の従業員に対して、会社側から日にちを決めて、有給休暇を取得させる事です。

 

基準日から1年間というのは、基本的に従業員の入社日の6カ月後から、数えて1年ごと以下の期間です。正社員やフルタイムの契約社員等で考えると・・

 

・入社日6カ月後の日から入社日1年6カ月後の前日の1年間

・入社日1年6カ月後から入社日2年6カ月後の前日の1年間

・入社日2年6カ月後から入社日3年6カ月後の前日の1年間

↓以下同様です。

 

会社で定めている、有給休暇取得の基準日があれば、その基準日から1年間ごとになります。

 

このそれぞれの1年間の間で有給休暇取得日数が5日未満の従業員に対しては、会社側から日を決めて有給休暇を取得させる事が義務付けられます。

 

ちなみに平成31年4月1日から全ての従業員に対してが対象になるわけではなく、あくまで4月1日後に基準日が到来する(有給休暇が10日以上取得出来る)方から義務化が始まります。

 

例えば、平成30年2月15日入社の場合、出勤率をクリアしていれば、入社後6カ月経過後の平成30年8月15日に10日の有給休暇を取得しますが、この10日については、平成31年4月1日前に取得したものなので、有給休暇取得義務からは外れます。その後1年後の平成31年8月15日に取得となる11日についてから、有給休暇取得義務の対象となります。

 

③対応について

 

有給休暇取得の指定義務化に対する対応として、以下の2つが考えられます。

 

・個別対応方式

・計画年休制度の導入

 

☆個別対応方式

従業員ごとに消化日数が5日以上になっているかをチェックし、5日未満になりそうな従業員について、会社が有給休暇取得日を指定する方法です。(就業規則で定める必要あり)

 

メリットとしては、指定の柔軟性が高い事です。会社と該当する従業員との話し合いで指定日を決めれば良いので、従業員代表との労使協定が必要になる計画年休制度と比較して、柔軟な運用が可能です。

 

デメリットとしては、個別の管理が必要になる事です。会社で一斉付与する基準日を定めている以外は、従業員ごとに有給休暇の消化日数を管理する上で、基準日から1年間の期間の終了日が近づいて来たタイミングで、有給休暇を会社から指定する事を忘れない様にする必要があります。個別の従業員ごとに管理の手間がかかります。

 

☆計画年休制度の導入

計画年休制度とは、会社が従業員代表との労使協定により、各従業員の有給休暇のうち5日を超える部分について、あらかじめ日にちを決めてしまう事が出来る制度です。

 

計画年休制度で年間5日以上の有給休暇を付与すれば、該当従業員について5日以上は有給を消化される事になるので、有給休暇取得の指定義務の対象外になります。

 

計画年休制度では、以下の様なパターンの制度策定が可能です。

 

・会社一斉に特定の日を有給休暇とするパターン

・部署ごとに有給休暇を取得する日を分けるパターン

・有給休暇を取得する日を1人ずつ決めるパターン

など。但し、一斉休暇の場合、有給休暇を取得していない方などについては、会社都合で休ませる事になるので、平均賃金の60%以上の休業補償を支払う必要があります。

 

メリットとしては、個別の従業員ごとの管理が不要になる事です。労使協定により5日間の有給休暇取得日を決める事で、個別の従業員ごとに5日以上の有給休暇の消化義務を果たした事になります。

 

また、例えば、お盆休みや年末年始休業など長期休暇を現在の運用よりも5日長くする内容で計画年休制度を実施するなどして、出来るだけ業務に支障が出ない時期に、会社一斉に有給を消化出来るといった対応も可能です。

 

デメリットとしては、労使協定が必要で日にちを会社都合で変更出来ない事です。

 

計画年休制度の手続きとして、労使協定が必要となります。従業員代表との話し合いを行い、労使協定を締結する必要があります。(労基署等へ提出は不要で、会社保管で大丈夫です。)

 

そして、計画年休制度の場合、労使協定で決めた有給休暇取得日は会社都合で変更は出来ません。その為、業務に支障が生じにくい日の見通しが立てづらく、後で日にちを変更する必要が出てくる可能性がある場合は、計画年休制度の採用は難しいと思います。

 

どちらの方法がベターかは、会社の有給休暇取得状況によりますが、有給休暇を5日以上取得する方が多い場合は、個別対応方式が良いと思いますし、5日未満の方が多い場合は、計画年休制度が良いと思います。ただ、計画年休制度を導入すると、相対的に有給休暇消化日数が増える事になります。

 

④有給休暇取得の義務化に違反した場合の罰則

 

今回の法改正による義務に違反して、該当の従業員に有給休暇の指定をしなかった場合は、30万円以下の罰金が課されます。

 

また、以下の事項について、労働者ごとに記録を作成し、3年間保存しなければなりません。

 

・有給休暇を与えた年月日

・有給休暇を与えた日数

・基準日

 

こんな感じでしょうか。

 

これから始まる法改正なので、具体的な対応策は順次増えて来ると思いますが、少しずつ準備を進めて行かなければならないと思います。

 

不明点や対策については、社会保険労務士の方にご相談する事をお勧め致します。

 

確定申告も中盤戦❗インフルエンザ等感染症は終息して参りましたが、今度は花粉症😭体調に気をつけて、ラストスパート頑張ります💦

 

そして、確定申告が終わる頃には、長女が卒園をして、4月から小学校デビュー☺パパとしても忙しくなりそうです✊

 

寒い日の中元気に遊んでいる長女を見て、成長をしみじみと感じる今日この頃です✨

 

山口会計  佐々木

多摩エリアで、創業50年超の業歴を誇る山口税務会計事務所。 八王子市・立川市・多摩市とも接している日野市、アクセス至便なJR中央線豊田駅から徒歩5分のところに事務所があります。 『経営者に一番身近な存在であり続け、そして、経営者とそこで働く社員が幸せになるお手伝いをしたい!』 そんな想いを抱き、日々奮闘している所長税理士とスタッフが、皆様の開業・起業、相続、その他税務のご相談をお待ちしております。
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