原油高騰・物価高騰等以外にも・・
2022-08-26
こんにちは!
山口会計の佐々木です。
新型コロナ感染症やロシアのウクライナ侵攻、半導体不足などの影響により、
原油・物価高騰のニュースを聞かない日はありません。
そんな中、他にも負担が増えるものがあります・・
①雇用保険料
令和4年度より、負担額が増えます。
【労働者負担】
令和4年10月1日より
給与や賞与の総支給額の 0.3%→0.5%
(農林水産・清酒製造、建設業 0.4%→0.6%)
に変わります。1.5倍程度増えてます。
月の給与が30万円とすると、900円から1,500円に給与から天引される金額が増えます。
昼食1食分位の負担増という感じですかね。
【事業主負担】
令和3年度の労働保険申告を今年の7月にされておりますが、
例年より保険料が増えたと感じる方がいたのではと思います。
負担増になった令和4年分の保険料を仮払いしている為です。
令和4年4月1日~9月30日
労働者の給与・賞与の総支給額の 0.6%→0.65%
(農林水産・清酒製造 0.7%→0.75%、建設業 0.8%→0.85%)
令和4年10月1日より
労働者の給与・賞与の総支給額の 0.6%→0.85%
(農林水産・清酒製造 0.7%→0.95%、建設業 0.8%→1.05%)
感覚的には3割位増えているイメージです。
新型コロナウイルス感染症関連の雇用調整助成金等の補助金負担の
しわ寄せが来ているなと感じます。令和5年以降も、引き続き
料率が上がるのではと懸念してます。
厚生労働省 令和4年度雇用保険料率のご案内
→https://www.mhlw.go.jp/content/000921550.pdf
②短時間労働者の社会保険適用拡大
従前は、年収130万円未満(交通費等含む 月あたり108,333円)であれば、
扶養に入る事が出来、健康保険料と厚生年金(基礎年金部分のみ)の負担が無くなります。
平成28年10月から特定適用事業者(※1)で勤めるパート・アルバイト等の短時間労働者が、
一定の要件(※2)を満たすことで、社会保険の加入対象になります。
(※1)特定適用事業者 (法人・個人事業主)
短時間労働者を除く社会保険被保険者の総数が下記を超える事業所の事です。
平成28年10月~ 常時500人超
令和4年10月~ 常時100人超 ※今回の改正
令和6年10月~ 常時50人超
(※2)加入対象者の要件
・週の所定労働時間20時間以上
・月額賃金が88,000円以上(年間106万円以上)
・2ヶ月を超える雇用の見込みがある
・学生ではない
今まで年間130万円未満のパート・アルバイトについては、社会保険の加入義務は無かったのに、
令和4年10月より、常時100人社会保険加入者(役員・正社員など)がいる事業者は、
年間106万円以上のパート・アルバイトについても、加入させなければならなくなるという事です。
(いわゆる社会保険の130万円の壁が106万円に変わる。)
もちろん、加入した場合は、労使折半で保険料負担が発生します。
中小企業の場合、常時100人以上の規模である事は稀なので、しばらくはこの改正の影響は
無いとは思いますが、令和6年10月以降は常時50人以上と拡大される事、それ以降も
徐々に適用範囲が拡大されそうなので、今から留意して頂ければと思います。
社会保険適用拡大ガイドブック
→https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/pdf/guidebook_hihokensha.pdf
③後期高齢者医療保険加入者の医療費自己負担の見直し
世帯内の後期高齢者医療保険加入者で、現役並み所得者(年間所得金額145万円以上 ※)
がいる場合は、医療費は3割負担となっており、それ以外の方は1割負担となってました。
(※ 所得金額なので、収入金額ではありません。給与・年金・不動産所得・事業所得・・
などの所得金額の年間合算金額です。)
令和4年10月1日から、1割負担の方の中で、世帯内の後期高齢者医療保険加入者の内、
年間28万円以上(145万円以上の場合は、現行通り3割負担です。)の方がいる場合は、
医療費は2割負担となる可能性があります。
2割負担になるかは、要件が細かくなっておりますので、添付する資料の
自己負担割合判定チャートをご覧ください。
後期高齢者医療保険に加入されている方で、今までは医療費が1割負担で良かったのに、
10月以降2割負担になる場合がありますので、ご留意ください。
(令和3年度の所得で判断されます。)
厚生労働省 後期高齢者医療制度の関するお知らせ
→http://www.tokyo-ikiiki.net/_res/projects/default_project/_page_/001/001/772/r3tokyoleaf.pdf
④最低賃金の見直し
8月に開催された中央最低賃金審議会にて、令和4年度(10月頃)の地域別最低賃金額の改定の目安が
取りまとめられました。今回は全国的に30円程上がる見込みです。
東京都 1,041円→1,072円
神奈川県 1,040円→1,071円
埼玉県 956円→987円
となる見込みです。
全国の平均は961円で、最高額は東京都の1,072円、最低額は東北・四国・九州・沖縄の計10件の
853円となり、最高額と最低額の差は219円もまだあるのですね・・
(大学生時代にコンビニのアルバイトで頑張って、時給800円になった時の感動は今でも忘れないのですが、
今や東京では最低時給1,072円もらえるのですね・・)
労働者については、嬉しいニュースですが、
事業者については、負担増になるのはもちろん、
扶養範囲内で働くパート・アルバイトさんは、
年間で働く事が出来る金額は決まっており、
働く時間が短くなる事で、労働力が減ってしまい、
新たに採用等を考えなければいけなくなる事があると思います。
(給与の場合)
所得税 → 年間103万円以下(配偶者は150万円以下)
住民税 → 年間おおよそ100万円以下(自治体によって異なります。)
社会保険 →年間106万 or 130万円以下
この壁が変わらない限り、最低賃金が上がっても、労働力は逆に下がる傾向に
あるのではと思います。
将来的には、「扶養」の概念を無くしていく方向なのかも知れないですね・・
令和4年から変わる社会保険・雇用保険等の事について、お話しさせて頂きました。
ご参考まで。
【追伸】
今年の夏季休暇は、家族で静岡に行って来ました😃
宿泊は掛川市のリゾートホテルにて2泊3日の予定🏝
出発は朝3時起き
1日目 浜松観光 浜松城と中田島砂丘の見学とうなぎ・浜松餃子を頂きました😊
2日目 リゾートホテル内のプール🏊♀️
3日目 ・・・
出発直前に台風発生のニュースが・・
やはり雨男の宿命なのか・・(メアリーちゃん(台風の名称)に好かれてしまった。)
3日目に静岡に直撃見込みとなり、やむを得ず2日目の夜中に自宅に帰る事になりました😭
少し消化不良でしたが、家族全員リフレッシュする事が出来ました✨
今年もあと4ヶ月!改めて、皆様のお力になれる様尽力して参ります!
山口会計 佐々木