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総勢15名!税務・会計の専門家たちが、業界の最新情報や所員の日常について綴っていきます

時間を大切にする

2012-02-28

確定申告シーズン真っ只中で、会計事務所は1年の中でも忙しい時期にあたります。
こんな時は特に「もっと時間があったら・・・」と時間のありがた味を感じます。
そんな中で会計事務所のブログではありますので、
ひとつ生産性に関する経営指標をご紹介したいと思います。
「時間当たり利益」と「時間当たり人件費」
無尽蔵に時間があるわけではなく、ある時間の中で一定の利益をあげなくては経営は成り立ちません。
そこで参考になるのが「時間当たり利益」「時間当たり人件費」いう経営数値です。
ここでいう「時間当たり利益」は「(売上高-変動費-人件費以外の経費)÷総労働時間」で計算します。
これに対して、「時間当たり人件費」は「総人件費」÷「総労働時間」で計算します。
この2つの指標を比較して「時間当たり利益」「時間当たり人件費」を超えるような経営を目指さなくてはなりません。
例えば、以下のような損益計算書の会社があるとします。
労働時間は、1日8時間労働×22日×12ヶ月×10人=21,120時間とします。
この場合、
 時間当たり利益=(10,000万円-3,000万円-2,500万円)÷21,120時間=2,130円
 時間当たり人件費=4,000万円÷21,120時間=1,894円
となります。
 「時間当たり利益」「時間当たり人件費」となり、経営がうまくいっています。
これに対し、以下のような損益計算書の会社はどうでしょうか?
総労働時間は同じ21,120時間とします。
この場合、
 時間当たり利益=(10,000万円-3,500万円-3,000万円)÷21,120時間=1,657円
 時間当たり人件費=4,000万円÷21,120時間=1,894円
となります。
 「時間当たり利益」「時間当たり人件費」となり、経営がうまくいっていないことを示しています。
(参考文献:「一年で黒字を実現する赤字企業再建術」椢原浩一著/幻冬舎)
生産性を見える化する
社員一人一人が、自社の「時間当たり利益」と「時間当たり人件費」の関係を知ることは実はとても大事なことです。
自分たちが1時間働いたとしてどれだけ利益が出せているかが分かれば、時間を大切にするという意識が根付きます。
人件費を下げない前提で「時間当たり利益」を上昇させるには、
 ①粗利益をよくする 
 ②経費を減らす 
 ③総労働時間を減らす
ことが挙げられます。
やらなくても良いことをやっていないか、同じ結果をもたらすものでもっと簡単な方法はないか、
常に考え改善していき、この数値を定点観測することで、生産性はグンとアップするかもしれません。
ただ生産性や目先の利益だけを考えていても好転はしません。
社員みんなで何が良くないのかの原因究明をし、それに対してどう対策していくのか、
ベクトルを合わせて解決していくキッカケ作りが重要です。
自分に置き換えると
自分の仕事に置き換えても、やはりたくさんの無駄をしています。
毎回同じことを調べたり、同じ間違いをして直したり・・・。
ちょっとしたことで2倍、3倍の時間がかかってしまうことがあります。
それを防ぐためには常に以下のことに気を付けるようにしています。
①仕事のやり方自体の改善・・・資料の回収の仕方やお客様への依頼の仕、チェックリストの活用など
②知識を豊富かつ確実に・・・税務に限らず知っていることなら調べる時間を省ける
③PC操作やITツールの使いこなし・・・会計ソフトやエクセルなど
なかなか、すぐに目に見えて成果の上がるものではありません。
しかし生産性を高めて、必要なことに時間をかけられるようにすることは、
付加価値を高め顧客満足を得るためにはとても重要なことだと思います。
同じことを他社より速くできれば、競争力もつきますし。
いろいろ工夫を重ねていきたいと思います。
山口会計 神庭

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