消費税増税は人件費の抑制に繋がる?
2013-09-30
来年4月からの消費税増税が間もなく発表される見込みです。
消費税の増税の目的は、
①社会保障費の増加に伴う財源に充てるため
②政府の支出全般の増加に伴う財源に充てるため
③直間比率の是正(頑張って利益をあげた企業や個人から法人税や所得税をとるのではなく、消費に対して課税する税制への転換)
などが、挙げられます。
しかし、個人消費を増やしてお金が回るようにして税収を増やいていくということも同時に喫緊の課題となっています。
そのためには雇用を安定化させ、個人の収入も上がっていくようにしなくてはなりませんが、消費税の増税は、この課題とは相反する結果を生む恐れがあります。
例えば、以下のA社は売上が10,000万円、仕入が7,000万円、人件費が2,000万円で利益が1,000万円の会社です。
B社は、A社の状況から1,000万円売上を減少させ、その分1,000万円人件費を削減した会社です。
※金額は内税を前提。利益は消費税額控除前の利益。消費税率は8%。
ザッと消費税の計算をしてみると74万円も納税額に差がでます。
A社とB社は同じ利益なのにもかかわらずです。
人件費は消費税が課税されないために、このようなことが起こります。
消費者は、同じモノであれば人件費を抑えて売価の安い会社から購入するでしょう。
消費税の増税は人件費を抑制に繋がるのではないかと危惧しています。
私は会計事務所に勤めて税金というものを扱う仕事をするようになって、税制というものは人の生活に密接に繋がっているものだということを強く感じます。
税制のひとつが人の暮らしを変えていくのです。
だからこそ、税収を集めるだけの政策ではなく、歳出面を含めて本当に国民が幸せに暮らしていけるための政策の実現を切に願います。
神庭