読んで良かった!~2012年に読んだ本の中で最も印象的だった5冊!
2012-12-10
2012年も早いもので残すところ3週間。
年初にはたくさん本を読むことを目標にしていましたが、
なんだかんだでそれほど多くは読めなかったかもしれません。
しかし、そんな中でも印象的な素晴らしい本に何冊も出会えたと思います。
本を読んでもどうしても読みっぱなしで、
その時は感動するのに自分の身になっていないことが多いです。
なのでもう一度振り返る意味でも、2012年に読んだ本の中から、
特に印象に残った5冊を本文の内容を少し引用しつつご紹介したいと思います。
(※挙げている順序はランキングではなく読了順です。)
◆ 『自分の中に毒を持て』 岡本太郎
私は岡本太郎さんに関しては、「太陽の塔」と「芸術は爆発だ」という言葉で有名な
なんか変わった芸術家ということぐらいしか知りませんでした。
しかし本書を読んでみたら、最高にエネルギッシュでカッコイイ変人(←失礼!)でした。
文章の一文一文すべてから圧倒的なパワーが放たれていて、
それが心の奥底に突き刺さってくるような感覚を感じながら読みました。
“自分に忠実に生きたいなんて考えるのは、むしろいけない。
そんな生き方は安易で甘えがある。
ほんとうに生きていくためには自分自身と闘わなければ駄目だ。
自分らしくある必要はない。むしろ、「人間らしく」生きる道を考えてほしい。”
“一度でいいから思い切って、ぼくと同じに駄目になる方、マイナスの方を選ぼう、
と決意してみる
といい。
といい。
そうすれば、必ず自分自身がワァーッともり上がってくるにちがいない。
それが生きるパッションなんだ。”
“人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に積みへらすべきだと思う。”
気になったところをメモにとろうと思うと、全文をメモしなきゃいけないと思うぐらい、
無駄がなくエネルギーに満ちあふれた文章が、読む人の心を圧してきます。
素直に頑張ろうと思える、何度も何度も読みたい大切な一冊になりました。
◆ 『走ることについて語るときに僕の語ること』 村上春樹
走ることを通じて、生きること、そして「僕という人間について正直に」丁寧に語られたエッセイです。
“Pain is inevitable.Suffering is optional
~痛みは避けがたいが、苦しみはオプショナル(こちら次第)~”
私も趣味で走るようになり、今年はフルマラソンにも挑戦しました。
まぁ、村上春樹さんには遠く及ばないレベルですが。
「なんでわざわざツライことをするの?」と言われることがよくあります。
確かにツライと言えばツライのですが、
ツライだけじゃないというかツライのとは違うというか…
同じ事柄も本人の解釈次第でどうにでもなるんですね。
“少なくとも最後まで歩かなかった”
そう胸を張って言ってみたいです、マラソンも人生も。
この本を読んで、アテネマラソンを走ってみたくなりました。
◆ 『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』 齊藤正明
「お前、マグロ船に乗ってこい!」
泣く泣く乗るハメになったマグロ船の上で学んだ漁師の哲学は、
最近元気を失っている働く人たちがハッとさせられるものばかりです。
“つまりの、おいどーらにできることをすべてやったんど。
それから後のマグロが捕れるかどうかなんて、海が決めることど。
齊藤ら陸の人たちは、人間にはどうにもならんことまで、なんとかしようとしちょる。
それが疲るる原因よ”
お客様にいい返事をもらいたいとか、他人にこうしてもらいたいとか思っても、
なかなか思い通りにいかなくて落ち込んだりストレスを感じたりしがちです。
しかし、結局は相手がどう動くかを自分ではコントロールできません。
なので、とにかく自分のできることの手を尽くし、あとは大らかな気持ちで結果を待つのが大事。
まさしく「人事を尽くして天命を待つ」ですね。
限られた人員や限られた資源の中で、コミュニケーションを円滑にし、
チームワークを最大限に発揮するための学びがたくさんある一冊です。
なかなか知ることのできないマグロ船の内部の様子なども面白く、
とっても読みやすい文章なのでオススメです。
◆ 『松浦弥太郎の新しいお金術』 松浦弥太郎
「暮しの手帖」の編集長である松浦弥太郎さんがお金との付き合い方について綴った本。
お金術とはいっても、お金の貯め方や節約術などのハウツー本ではありません。
“お金というものは社会のもので、いっとき自分のところを流れているだけなんだよ。
だから流れを止めず、お金も社会も人も喜ぶ使い方を考えなさい。
そこがこれからどう生きるかの分かれ道になるよ”
生きていく上でお金は一生ついてまわる悩みのひとつです。
だからこそお金との付き合い方は生き方に直結します。
「お金が喜ぶ使い方をしているか?」
常に自問自答しながらお金を使いたいです。
◆ 『路上から武道館へ』 宮崎奈穂子
2012年11月2日、宮崎奈穂子さんというシンガーが武道館で単独ライブを成功させたそうです。
多くの人が知るようなヒット曲もなければテレビの音楽番組でも歌った経験もないこの無名のシンガーが、
なぜいきなり武道館でライブが出来たのか?
“夢を叶える3つの方法ー自分の可能性を信じ続けること、動き続けること、ご縁を大切にすること”
他人に比べて圧倒的に秀でた才能がある人は稀です。
宮崎さんも自分のことを「特別美人でも、歌がものすごくうまいわけでも、
強力なコネクションがあるわけでもない」と書いています。
改めて自分がいま何をすべきか考えさせてくれました。
いつか何処かの路上でお見かけ出来たらうれしいなと思っています^-^
神庭